イギリスにある巨石遺跡ストーンヘンジを作った石器時代のブリトン人は、どのようにして重さ45トンの厚い石板を何十キロも運搬したのだろうか。 4500年前の環状列石にまつわる最大の謎の一つだ。新しい理論によると、車輪がなかった当時は、小型のボールを作って利用していた可能性があるという。
これまでの考えでは、つき固めた地面の上に切り出した丸太を並べた“木製ローラー”や、油を引いた木製レール上で巨大な木製そりを滑らせる方法などが提案されている。しかし、ローラー用の通路を固めた場合に証拠として残るはずの溝はまだ発見されていない。そりのアイデアもある程度の信憑性はあるが、膨大な労働力を要する。1997年の研究によると、ストーンヘンジで最大級の石を動かすには一度に数百人の男性が必要になるという。
これに対しイギリスのエクセター大学大学院博士課程で生物科学を研究するアンドルー・ヤング氏は、溝付きのレールに複数のボールを並べ、その上で巨石を転がすという新説を提案した。
スコットランドのアバディーンシャー州にある新石器時代の環状列石付近では、球状に削られた石器が頻繁に出土する。ヤング氏はそこから“ボール・ベアリング”案を思いついた。「これらの石球の大きさや重さを測ったところ、どれも同じサイズで直径約70ミリだった。単独ではなく一緒に使うために作ったものに違いない」とヤング氏はナショナル ジオグラフィックニュースに語った。
ヤング氏も認めるように、石球が出土したのはアバディーンシャー州とオークニー諸島にある環状列石の付近のみで、ストーンヘンジのある南部のソールズベリー平原では発見されていない。「南部では、彫るのに時間がかからず、軽くて運びやすい木製ボールの方が好まれていたのではないか。木製だから大昔に腐って消失したのだろう」とヤング氏は推測している。
ヤング氏は仮説を検証するため、ボールとレールの仕組みを再現する縮小モデルを作製した。「指1本で重さ100キロのコンクリートを押せることがわかった」とヤング氏は話す。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20101213-00000001-natiogeo-int
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